ディズニークラシックスの珠玉のミュージカルアニメ「ジャングル・ブック」

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ディズニークラシックスと呼ばれるCGを用いない劇場用のセルアニメーション映画の中でも、音楽を多様に用いたミュージカルアニメの名作。魅力ある登場キャラクターたちも魅力です。本国では1967年、日本では1968年に初公開されました。1966年末に急死したウォルト・ディズニーの遺作でもあります。

密林で動物たちに育てられた少年モーグリの愛と冒険を描く

出典:http://blog.livedoor.jp/featherofraven/archives/1014538327.html

少年モーグリは、黒ヒョウのバギーラに拾われ、密林でオオカミの家族に育てられています。そんなある日、人間を憎むベンガルトラのシア・カーンが来ると聞いたバーギラは、モーグリを守るため、人間の村に帰す決心をします。密林の生活が楽しいモーグリはそれを嫌い、バーギラとけんか別れ。そのとき出会 ったのがサルの王様キング・ルーイや、陽気なクマのバルーら愉快な仲間たちです。そして、モーグリは、密林の規則に縛られない気ままなバルーと仲良くなります。騒動が起きたり、シア・カーンに襲われたりしながらも、密林に残りたいモーグリでしたが、水汲みの女の子を見つけ、釣られるように人間の村へと向かいます。

原作のメッセージにも注目

原作は、ノーベル文学賞受賞作家ラドヤード・キップリングが、1894年に発表した同名小説。原題『The Jungle Book』は、ジャングルの聖書、つまり密林でのルールということです。動物世界が人間社会の縮図として描かれていて、人間同士ではなく動物同士として単純化されているので子どもにもメッセージが伝わるでしょう。一方、モーグリは、野生動物の世界とその規則と、それに反して自分が人間であるというアイデンティティーも問われます。そのため異なるコミュニティでの生きにくさを感じます。同様のテーマは、宮崎駿監督の「もののけ姫」でも描かれています。また、シア・カーンの存在には、過去の因縁が込められています。

ミュージカルとしてのナンバーにも注目

テンポよい歌やダンスで楽しさ満載です。特にバルーが歌う『The Bare Necessities(ザ・ベアー・ネセシティ)』は有名で、『何も必要ない』という意味ですが、『The Bear Necessities(クマの必要性)』もかかっています。歌詞も密林の規則にとらわれない彼の性格を表し、『Look for the bare necessities(必要最低限なことだけ求めよう)』『The simple bare necessities(シンプルで必要なことだけをね)』『Forget about your worries and your strife(心配事やモメ事は忘れよう)』と哲学的です。

ミュージカル仕立てで、楽しいアニメですが、しっかりとしたメッセージが込められた作品でもあります。2016年には、同じくディズニーが実写とCGIアニメーションで同名作が制作されています。こちらはより原作小説に近く、シビアな作風です。

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題名 ジャングル・ブック
監督 ウォルフガング・ライザーマン
出演 フィル・ハリス
セバスチャン・キャボット
制作年度 1967年
本編時間 78分
製作国 アメリカ

ライター:しおっち