アニメーションの可能性を無限に広げたディズニーの傑作「ファンタジア」 - 映画みちゃお!

アニメーションの可能性を無限に広げたディズニーの傑作「ファンタジア」

 - アニメ映画

   

ディズニーによるクラシック音楽とアニメの融合という奇跡

1968年に公開されたSF映画の金字塔「2001年宇宙の旅」では『ツァラトゥストラはかく語りき』や『美しく青きドナウ』などクラシック音楽が全編に渡って使われ、劇中の近未来映像の印象を深くしている。漆黒の宇宙空間に浮かぶ星々やその合間をゆったりと進む宇宙船、といった光景とクラシック音楽の親和性は高く、その後に作られるSF映画の音響として多用されることとなった。

ミッキー出典:http://www.disney.co.jp/eventlive/fantasia.html

 その「2001年宇宙の旅」の公開より遡ること約30年、1940年に公開された「ファンタジア」は、ウォルト・ディズニーがアニメーションとクラシック音楽の融合を目指した意欲作である。アニメーターが、表題音楽も含め曲を聴いてイメージした映像をデザインや絵、物語としてアニメ化したオムニバス作品となっている。採用された曲はバッハの『トッカータとフーガ ニ短調』、チャイコフスキーの『くるみ割り人形』、ベートーヴェンの『田園交響曲』、ムソルグスキーの『はげ山の一夜』など全8曲。まず楽曲ありきのため、描かれたビジュアルは<物語性のあるもの>、<物語はないが一連の情景を描いたもの>、<音の構成だけを考えて作られたもの>の3種に分けられる。通常のアニメ制作は、完成した絵に音やセリフを合わせるアフレコが主流で、絵と音は比較的シンクロさせやすい。それに対し本作は既存の音に絵を合わせていく作業で、その労力は想像を絶するものであった。実際、完成までに3年以上もの歳月と莫大な費用がかけられ、制作費の回収に何十年もかかったと言われている。

マッシュルーム出典:http://www.asahi.com/showbiz/gallery/20110420fantasia/fantasia08.html

ディズニーの意志を受け継ぎ進化し続ける名曲の数々

 ミッキーマウスが登場するデュカスの『魔法使いと弟子』は、曲そのものに物語のベースがあり、もっともわかりやすい映像となっている。また、バレエ音楽であるストラヴィンスキーの『春の祭典』は、恐竜の時代に舞台設定を変えるなど映像イメージの大胆なアレンジにも挑戦している。敷居が高いと敬遠されがちなクラシック音楽を、アニメと融合させることで別のエンタテインメントに昇華させたディズニーの功績は大きい。彼は、コンサートがそうであるように、公開のたびに新しい楽曲に入れ替える構想だったが存命中には実現しなかった。

神話出典:http://mdpr.jp/disney/detail/1560451

 そして、「ファンタジア」の初公開から60年という節目に、ディズニー悲願の「ファンタジア2000」が完成し公開されたのである。

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ライター:でっかーど