ユ・オソンとチャン・ドンゴンらが主演の「友へ チング」の人気の秘密とは
公開当時、韓国では社会現象になるほどのヒットを打ち出した「友へ チング」。日本でも、チャン・ドンゴン主演ということもあって、大きな話題となりました。今回はそんな「友へ チング」の人気の秘密に迫りたいと思います。
「友へ チング」とはどんな映画なの?
中学生時代、仲の良かった悪友4人組。友情で結ばれていたはずの彼らが、少年時代から高校生へ、そして大人になりそれぞれの道へと進んでいく姿が描かれている映画です。
ただのやんちゃな少年だった4人は、年月を経てそれぞれ違った方向へと進んでいきます。4人のうち2人はまっとうだと言える道へ、そして他の2人は裏社会へと進み対立していくのです。同じ世界で生きていたはずの彼らが、それぞれ違う方向へと進んでいく生き様や、それぞれの思いが描かれた切ない気持ちがあふれる作品です。
『チング』の意味とは?
『チング』は漢字だと『親旧』と表記されますが、同級の友人や、年の近い親友をさす韓国語になります。70年代後半から時を経て90年代までの、4人の幼なじみの環境の変化や人生観を通して、見るものにさまざまな思いを抱かせます。ストーリーの後半、それぞれ違う道へと進んでしまった彼らには、楽しかったあの頃のように4人が共に笑いあえる時はもうありません。
しかし、彼らの心の内には、チングの間にある絆や、当時を懐かしむ心が確かにあるのだと思えるシーンもいくつか見られるのです。この作品を見ていると、なぜそれぞれがここまで違う道を進むことになってしまったのか? どこかで立ち止まる術はなかったのか? と思いを投げかけながら、なんとも言葉にできない無力感や切なさを感じさせることでしょう。
チャン・ドンゴンやユ・オソンの真に迫る演技
今作では、リーダー格のヤクザのジュンソク役をユ・オソンが、その下っ端でやがては対立していくドンス役としてチャン・ドンゴンがそれぞれを演じています。
演技においては高い評価を得ている2人が、今作ではさらにシリアスな演技を披露しています。とくに、こういった作品の役どころを演じるイメージとはかけ離れている、チャン・ドンゴンの演技には、多くの観客が引き込まれていったのではないでしょうか?「友へ チング」では、こうした彼らの演技も見どころです。
ノスタルジックあふれる映画
「友へ チング」は、70年代後半の時代から描かれている作品です。70年代~80年代、少年時代を過ごした方々にとっては、なつかしのアイテムも数多く登場してくるため、当時の自分と彼らを重ねてみてしまうという方もいるかもしれません。そんなノスタルジーな雰囲気も味わえる、今作。友情のあり方やありし日の青春を思いながら、ご覧いただいてみてはいかがでしょうか?
ライタープロフィール

- 映画と海外ドラマをこよなく愛する、子育て中の主婦ライター。メジャー作品はもちろん、マイナー映画やホラーなど幅広くチェックしています。
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