鬼才ポン・ジュノ監督作品「ほえる犬は噛まない」はとにかくダークだけどペ・ドゥナはかわいい

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「ほえる犬は噛まない」は決して、手放しで見られるコメディ作品ではない!? ダークでシュールなストーリー展開に、最後まで見ることができない人も?

「ほえる犬は噛まない」のあらすじは?

大学教授の椅子を奪われ、ヒモのような生活を送っている大学講師のコ・ユンジュ(イ・ソンジェ)。彼は、思い通りにならない日々にイラついていたのです。そんな彼のいら立ちを助長していたのは、団地内に響く犬の吠える声でした。

ほえる犬は噛まない出典:http://desolationrow.blog45.fc2.com/blog-entry-35.html

そんなある日、団地の廊下へと出てきたお隣の飼い犬を見た彼は、吠えていた犬と勘違いをして地下室に閉じ込めてしまうのです。そんな折、犬の失踪を知った団地の経理をしているパク・ヒョンナム(ペ・ドゥナ)は、正義感から飼い犬の捜索ビラを作成して、張り出します。
なんとそのビラには、探している犬は声帯手術をしているため吠えることができないと書かれていたのです。勘違いに気が付いたユンジュは、隠した子犬を連れ戻そうとするのですが…

ストーリーは鬼才ポン・ジュノらしくダークネスな展開に

ポン・ジュノ監督といえば、救いようのないバッドエンドな作風が特徴的でもありますが、今作でも彼らしい世の中を皮肉ったかのような展開がなされていきます。

ほえる犬は噛まない出典:http://zilge.blogspot.jp/2011/07/00.html

作中、行方不明になる飼い犬たちは、なんともひどい目にあっていくのです。作品のタイトルやキャッチフレーズ、ポップな画に惹かれて安易にみると、ちょっと後悔してしまうかもしれません。
しかし、そこがまたポン・ジュノらしいといえば、彼らしい映画作品の特徴でもあるのです。もちろん、ポン・ジュノならではのギャグもちょこちょこと挟まれています。いろんな意味で、彼ならではの作品だともいえるでしょう。韓国社会や文化に対しての社会風刺も込めた作品でもあります。

邦題「ほえる犬は噛まない」の意味は?

実は、この作品の原題は『フランダースの犬』です。これは、大学講師のコ・ユンジュが日本のアニメ『フランダースの犬』の主題歌を愛唱することにちなんでいるそうです。
しかし、邦題では「ほえる犬は噛まない」というタイトルに変えられています。これは、日本のことわざで<強がったり威張ったりするものほど、実力が伴わない>事を指しています。なんともストーリーに沿ってるような、沿っていないような皮肉交じりのタイトルですが、このタイトル自体は日本があとから付けたもので、英語題名の『BARKING DOGS NEVER BITE』と同じ意味になっています。『フランダースの犬』と同様に作品の内容を明確に表しているとは言えないでしょう。

とはいえペ・ドゥナのかわいさは抜群

ポン・ジュノ作品にも多く出演しているペ・ドゥナですが、今作では熱血漢の女子経理事務員を演じています。とにかく熱く、空回りしてしまうコミカルなキャラクターではありますが、非常に強い存在感を放っているのです。2000年公開作品とあって、まだまだ少女っぽさが残るペ・ドゥナですが、彼女のファンも、そうでない方もこの作品を通して、彼女がさらに好きになってしまうという方もいるかもしれません。
良くも悪くもポン・ジュノ監督らしい作品です。犬という弱い立場の存在が、ぞんざいに扱われてしまうという点では、犬好きの方にとっては直視できない部分でもありますが、この1点にとらわれずに全体に含まれるメッセージ性もあわせてご覧いただければと思います。

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ライター:babble