80年代の名作を大胆オマージュ! 戦慄の香港発ホラー「キョンシー」

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1985年に公開された香港のアクションホラー映画「霊幻道士」。その中に登場する妖怪キョンシーは吸血鬼とゾンビを合わせたような設定と、ピョンピョン飛び跳ねて移動する、という独特の動きから香港のみならず日本でも空前のブームを巻き起こしました。「霊幻道士」のオマージュ的作品として2013年に公開されたのが本作「キョンシー」。往年のファンはもとより、キョンシーを知らない世代でも惹きつけられるホラーです。

落ちぶれたスターが経験する戦慄の恐怖

出典:http://psychodrivein.com/top-ten-favorite-2014-horror-movies/

かつては人気スターとして活躍していた俳優のチン・シュウホウ(チン・シュウホウ)。しかし、落ちぶれてしまった彼は妻子とも別れとある古いアパートへと引っ越してきました。幽霊が出ると噂のあるそこに、チンが引っ越してきた理由はただひとつ、そこで自殺をするためでした。しかし、死にそうな時に怪奇現象に巻き込まれたチンは、間一髪でヤン(アンソニー・チェン)に救われます。しかし、その後彼はアパート全体を取り巻く不気味な心霊現象にいやおうなく巻き込まれていき……。主演のチン・シュウホウは、実際に「霊幻道士」に出演し、弟子役として作中で活躍しました。本作ではセルフパロディのような役柄を演じています。

「霊幻道士」ファンを喜ばせる細かな仕掛け

先に述べたように、主演のチン・シュウホウはキョンシーを一躍有名にした「霊幻道士」に出演していますが、本作の中で彼を助ける飯店の店主ヤン(アンソニー・チェン)も「霊幻道士」の冒頭と終盤に、キョンシー隊を率いる道士役で登場しています。「霊幻道士」の出演者は主演で道士役のラム・チェンインやもう一人の弟子役だったリッキー・ホイのように故人になっている者も少なくないのですが、彼らのように現在も活躍する「霊幻道士」の元出演者を集めたところに、ジュノ・マック監督のオマージュが感じられます。

清水崇もプロデュースとして参加

さらに、日本人としての注目ポイントは、「呪怨」などのヒット作で知られる清水崇がプロデューサーとして本作に参加していることです。「呪怨」はご存知『リング』シリーズと共にジャパニーズホラーの代表的な作品。そのため、「キョンシー」は「霊幻道士」に見られたようなコミカルさは極力抑えられ、どちらかというと不気味さやグロテスクさ、恐怖感を引き出す描写になっています。この描写は「霊幻道士」ファンの間でも賛否が分かれるようですが、敢えてオマージュ元と異なる方向性の作品にした事でオリジナリティを出すことに成功しています。

2014年にはホラーやファンタジー映画に特化したシッチェス・カタロニア国際映画祭でも上映された本作。ピョンピョン飛び跳ねて、お札で動きを止めるキョンシーは出てきませんが、その世界観には引き込まれる魅力があります。ぜひご覧下さい。

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題名 キョンシー
監督 ジュノ・マック
出演 チン・シュウホウ
クララ・ワイ
制作年度 2013年
本編時間 101分
製作国 香港

ライター:mouton