ピョンヤンで暮らす少女の姿を記録したドキュメンタリー「愛しきソナ」

 - アジア映画

   

在日コリアン2世として自らの家族と北朝鮮との関わりをモチーフとしてきたドキュメンタリー作家ヤン・ヨンヒが、長年に亘ってビデオカメラに収めてきた自らの姪・ソナの成長の様子を中心に、再び在日コリアンのアイデンティティーの問題を取りあげた作品。

「愛しきソナ」のあらすじの紹介

愛しきソナ出典:http://eigato.com/?p=3735

ヤン・ヨンヒ監督が一人称で語ってゆくのは、帰国事業で半島へ渡った3人の兄たちとその家族についてです。まだ十代だった兄たちは在日に対し閉鎖的・差別的だった日本を去り、“地上の楽園”と宣伝されていた北朝鮮へゆくことを選んだのでした。ヨンヒ監督自身も度々北朝鮮へゆき、兄たちとその家族の生活の様子をビデオにおさめてゆきます。この映画ではその家族のうち、姪であるソナがそのストーリーの中心となります……。

「かぞくのくに」の監督のドキュメンタリー

のちに「かぞくのくに」で劇映画へ進出、アカデミー賞外国語映画賞への日本代表作品に選出されたことで広く話題となったヤン・ヨンヒ監督がその前年に発表した長編ドキュメンタリー。処女作の「ディア・ピョンヤン」同様、それまでに撮りためたビデオのフッテージを元にしたもので、北朝鮮への入国が禁じられたことで会えなくなった姪・ソナへの思いが語られています。

在日のアイデンティティー

在日コリアン2世の監督はこれまでも日本映画界に数多くいましたが、ヤン・ヨンヒほどその"在日"のアイデンティティー、そして北朝鮮への関わりというモチーフを扱った人はおそらく初めてです。映画作家としての透徹した視点がこの作品でも感じられ、他の数多くの北朝鮮を扱ったドキュメンタリーなどとは異なる存在感を示しています。
政治状況に引き裂かれる家族の姿は痛ましさを感じさせます。朝鮮半島の問題を考える上でも見逃せないドキュメンタリーです。

愛しきソナの動画を見る

題名 愛しきソナ
ジャンル ドキュメンタリー
監督 ヤン・ヨンヒ
出演 ヤン・ソナ
ヤン・コンソン
制作年度 2009年
本編時間 82分
製作国 韓国・日本

ライタープロフィール

大地太郎
大地太郎
1920年代の古典作品から、フランス・ドイツ・イタリアの巨匠の作品、そしてアメリカン・ニューシネマまで、古い映画ならかなりの本数を見ています。特にハリウッドの黄金期の作品が気に入っています。

ライター:大地太郎