田舎の孤島で渦巻く絶望と狂気!チャン・チョルス初監督映画「ビー・デビル」

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「サマリア」で知られるキム・ギドク監督作品の中で映像経験を積んだという、チャン・チョルスの初監督作品。カンヌ国際映画祭をはじめ世界各国の映画祭に出品された話題作で、日本でも大ヒットを記録しました。孤島という閉ざされた空間ならではの異質な世界観と、追い詰められた人間の狂気を強烈にインパクトのある映像で魅せる、韓流バイオレンス作品です。

「ビー・デビル」のあらすじ

ビー・デビル出典:http://opinion-as-a-moviefreak.blogspot.jp/2013/10/bedevilled-2010.html

ソウルで銀行員として働く女性、へウォン。都会の喧騒に疲れた彼女は、そこから逃れるように自身が幼い頃に暮らした島に帰省をします。美しい自然に囲まれた島で幼なじみのボンナムに再会をし、彼女との友情に心を癒されるのですが、ボンナムは島の住民たちに日々ひどい虐待を受けていました。事実を知りショックを受けながらも傍観者に徹するへウォンは、ボンナムの島から連れ出して欲しいという願いに応じることもありません。そんな中、ボンナムを絶望の谷に突き落とす事件が起こり、ついに島中が血塗られた地獄と化すことに…

「ビー・デビル」のみどころ

まず、容赦なく残酷な描写を追求している点ですが、目を覆うような描写がありながらも、冒頭からぐいぐい引き込まれる展開と中盤以降生々しく表現される殺戮シーンは韓流ならではで、他国の追随を許しません。
また、救いがないストーリーと残酷なことこの上ない血みどろの世界の途中で見ることを諦めるかと思いきや、続きが気になって見続けてしまうのですが、それだけ脚本に観客を惹きつける力が備わっています。

最後に傍観者というテーマ性を大きな柱にしていることで、決してただの暴力作品で終わらせないところにもぜひ注目したいです。自分が傍観者であったが故におきた悲劇に、主人公が心を改めるラストシーンはこちらの涙を誘います。

抜群のキャスティングで魅せる、安定の韓流バイオレンス

抜群のキャスティングでそれぞれの役が見事に定着、劇中の大切な表現の一部を担っています。
主演のソ・ヨンヒの演技はとにかく必見。びっくりするほど過酷な虐待に耐え続ける痛々しさと、絶望から狂気に転じたあとの残虐性のギャップがとにかく素晴らしく、本国で主演女優賞を総なめにしたという話にも大きくうなずけます。
前半にボンナムを虐待する島の住民の描写がとことんまで嫌らしいのもポイントで、後半、ボンナムに呆気なく血祭りにあげられていく場面には、胸のすくような爽快感を感じるほどです。

作品全体を通して、極端な設定に耐えうる演技力はどの俳優に至っても脱帽ものです。
韓国で実際に起こった殺人事件をモチーフに作成された本作品は、忌まわしい事件として報道される事件の中にテーマを見出しており、深みのあるものに仕上がっています。観終わった誰の心にも、きっと確固としたインパクトを残してくれることでしょう。

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題名 ビー・デビル
ジャンル サスペンス/ミステリー
監督 チャン・チョルス
出演 ソ・ヨンヒ
チ・ソンウォン
制作年度 2010年
本編時間 115分
製作国 韓国

ライター:ぴょんちゃん