2005年、終戦60周年を記念して作られた戦争映画「男たちの大和 / YAMATO」

 - 邦画

   

辺見じゅん原作のノンフィクション小説『決定版 男たちの大和』をもとに製作、2005年に公開された戦争映画「男たちの大和 / YAMATO」。終戦60周年を記念して作られた話題作だ。出演は反町隆史、中村獅童、当時まだ無名であった松山ケンイチら豪華俳優陣がつとめている。

死んだ者と生き残った者、残された者の物語

男たちの大和/YAMATO

出典:http://blog.avexnet.or.jp/abe/pickup/2005/12/24_22.html

2005年4月鹿児島県枕崎の漁港。老漁師の神尾のもとに内田真貴子と名乗る女性が訪ねる。女性は60年前に沈んだ戦艦大和が眠る場所まで船を出してほしいと懇願する。彼女は大和の乗組員であった内田二等兵曹の娘であった。神尾は小さな漁船を目的の場所へと走らせる。彼もまた大和の乗組員だったのだ。内田の名前を聞いた神尾の胸裡には60年前の光景が鮮やかに蘇る。

神尾は真貴子に過去のことを話し始める。昭和19年、神尾ら特別少年兵をはじめとする新兵たちは戦艦大和に乗り込んだ。彼らを待ち受けていたのは厳しい訓練の日々であった。日本の敗色が日増しに濃くなっていく昭和20年、乗組員たちに最後の上陸許可が出る。彼らはそれぞれ肉親や恋人と思い思いの時間を過ごす。そしてついに米軍が沖縄上陸作戦を本格的に開始、大和の沖縄特攻の命が下る。乗組員たちは最後の戦いにのぞむのだった。

松山ケンイチはなんとオーディションで合格!

男たちの大和/YAMATO

出典:http://blogs.yahoo.co.jp/fpdxw092/GALLERY/show_image.html?id=63295056&no=3

今となっては誰もが知る有名実力派俳優の松山ケンイチだが「男たちの大和 / YAMATO」公開当時はまだまだ無名の新人であった。映画公開以前からドラマ『ごくせん』(第1シリーズ)や映画「NANA」などに出演はしていたものの、彼の名前を知るものはまだまだ少なかったことだろう。そんな彼は、本作でストーリーテラー的な役割を果たしている仲代達矢演じる神尾の少年期を演じている。主人公は反町隆史と中村獅童のW主人公という形をとっているが、松山ケンイチ演じる神尾を主人公として見ることすらできる大きな役だ。

そんな重要な役を彼はオーディションで勝ち取った。彼の出演が決まったとき映画プロデューサーの角川春樹は心震えたという。角川はこの作品の後、「椿三十郎」など自身の新生角川春樹プロデュース映画に次々起用している。カメレオン俳優・松山ケンイチを語る上では欠かせないのがこの作品といえよう。

戦争を知らない若い世代にむけた映画

男たちの大和/YAMATO

出典:http://yaplog.jp/alice59/image_cv/288/http://yaplog.jp/alice59/img/288/img20060111_1.jpg

通常、戦争をモチーフに映画を作る際には天皇制をほこっていた当時の思想が色濃く反映されがちだ。しかし「男たちの大和 / YAMATO」では<天皇>という言葉ですら一言も出てこない。その代わりに乗組員たちと、その家族や恋人といった人間ドラマの部分に焦点が当てられ描かれている。大切な人たちを残し戦地に赴いていく兵士たちの想い、残された家族や恋人の想い。そういった部分を繊細にえがくことで、ただの戦争映画としてだけでなく、戦争を知らない若い世代がみたときに、改めて戦争に行くことの意味を考えさせる映画になっている。

ただの終戦記念の戦争映画としてだけでなく、さまざまな人の生き方と想いを描いた人間ドラマとしても見てほしい作品だ。

男たちの大和 / YAMATO の動画を見る

ライター:おかだ。