近代日本の産声を描いた「長州ファイブ」

 - 邦画

   

時は幕末、文久3年(1863年)。長州(現在の山口県)藩の若き藩士5名がイギリスへ秘密裏に留学するという史実を元にしたお話です。初代総理大臣である伊藤俊輔(後の伊藤博文)、数々の要職を務めた井上聞多(後の井上馨)、近代造幣の父・遠藤謹助、日本工業を推進した山尾庸三、鉄道の父・野村弥吉(後の井上勝)と、日本の近代化には欠かせないメンバーのイギリスでの活躍を描いています。

国際化の中で抗うサムライ

出典:http://blogs.yahoo.co.jp/deafdramaz/62001807.html

「長州ファイブ」の冒頭は、大名行列の近くを騎乗のまま横切ったイギリス人を斬りつけるシーンから始まります。当時は生麦事件など、日本国内にいた外国人との衝突が珍しくなかった時代。長州ファイブのいる長州藩でも、国際化の中でどう振る舞うべきかが議論されていました。海外から流入する人、物、技術の中で、旧来の考え方や風習を持つサムライがどう戦っていったかを描写している映画なのです。

<藩>よりも<国家>を意識し始める時代

映画の中では<藩>という概念が多く出てきます。長州藩から送り出された長州ファイブの彼らも『長州藩はこれからどう発展すべきか』という使命を持っています。しかし、イギリスが一つの強国として世界の中で活躍し、他国と交渉していく様を見ながら<藩>ではなく<日本という国家>としてどう発展すべきかという認識を持つことに。

イギリスでの感動、苦悶、恋愛

基本的には、秘密留学先のイギリスでのシーンが中心です。産業革命後の、鉄道が走り高層建築物が立ち並ぶ発展した街並みに5人は感動。文化の違いに悩みながらも、貪欲に知識を吸収していきます。しかし、世界的な強国であった大英帝国の中にも、貧困や差別の中で苦しむ人たちの姿を見つけることで社会的システム形成や発展の在り方にも悩むことに。また、現地の美しいイギリス人女性との恋愛も描かれています。
急激に変化していく幕末という時代の中で学び、悩んでいく5人のサムライ達。彼らがどうして日本という国を近代化させ、急激な工業化を推し進めていくことができたのかを理解できる映画です。

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題名 長州ファイブ
監督 五十嵐匠
出演 松田龍平
山下徹大
制作年度 2006年
本編時間 119分
製作国 日本

ライター:H-S