日本を代表するハードボイルド映画「蘇える金狼」 - 映画みちゃお!

日本を代表するハードボイルド映画「蘇える金狼」

 - 邦画

   

大藪春彦をよく読みます、という若い方をほとんど見なくなりました。日本を代表するハードボイルド作家であった彼は、『経験したことしか書けません』と言い放ち拳銃の不法所持で捕まったりしていた不良おじさんでした。最近流行の(流行の?)『草食系男子』など入る余地の無い「蘇える金狼」は彼の傑作です。特に若い男子に見て頂きたい一本です。

まずはあらすじのご紹介です。

蘇える金狼出典:http://motorbreath.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-2389.html

東和油脂乗っ取りを企む新入社員の朝倉哲也は、その行動資金を得るために銀行の現金輸送車を襲います。そこで得た金額が1億円。しかしこの金は通しナンバーの付いた金、つまり使えない金でした。それを使えるようにするために一旦『麻薬』に換え、それを売って現金化しようとします。そこで麻薬の仕入れに関わった海神組ともめながらも何とか麻薬を手に入れます。そんな折、会社の重役連中の横領の事実を知った朝倉は今度は会社を直接相手取って200万株の株券を手に入れます。自分の情報原として使っていた女と海外逃亡を計ったその日、朝倉は情報源の女、京子に刺されます。

狼は羊のふりをして時期を見る

補欠入社という設定でも朝倉のダメダメな感じが出ていますが、会社ではいつもボーっとして使えない奴を演じる朝倉。しかしその実態はボクシングジムに通い世界チャンピオンをも目指せるほどの実力。男が相手の時は残忍な拳と拳銃で、用が無くなればあっさりと殺す。女に対しては甘いマスクと麻薬、ただれたセックスで自分の都合のいいロボットに仕立て上げるジゴロ。誰も信用せず、信用できるのは金と拳と拳銃のみ。一人の男が巨大な企業に立ち向かう時、男はどこまでもストイックになってゆく。名優・松田優作がピタリとはまったハードボイルド映画です。大藪春彦原作の映画・ドラマは数ありますが、見逃してはいけない一本です。

悲喜劇になりそうなプロット

まず行動資金を作るためにやった現金輸送車襲撃。苦労して手に入れた金が使えない金。ヤクザとの関わりを深く持ってしまったために訪れるピンチ。果ては会社側の興信所所長石井には拉致られてしまう。ピンチの連続を己の力で切り拓いていく、と言えば聞こえはいいですが、見方によっては『おっちょこちょい』過ぎです。一つ間違えると喜劇にもなりかねないこの映画。さすが『あぶない刑事』や『西部警察』などを手掛けた村川透監督がメガホンを取っただけの事はあります。画面から押し寄せる迫力が違います。しかし何と言ってもやはり松田優作の演技が光ります。『もうこんな俳優は出てこないかも』と思わせる彼の演技を堪能して下さい。

原作を読んだ時の衝撃は忘れられません。原作では奪った金が確か1800万円だったと思います。1964年に出版された本なので貨幣価値が違いますね。乗っている車の車種なども時代に合わせて変えています。原作と映画、両方楽しんでもらいたい作品です。

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題名 蘇える金狼
監督 村川透
出演 松田優作
風吹ジュン
制作年度 1979年
本編時間 131分
製作国 日本

ライター:kuma10