東野圭吾が「これまでで一番思い入れがある」と語る「天空の蜂」実写版

 - 邦画

   

ベストセラー作家・東野圭吾氏と、映画界の奇才・堤幸彦監督がタッグを組んだ映画「天空の蜂」。
映像化は不可能とされながらも、2015年秋に公開されました。原発・テロ・いじめなど、現代の社会問題が随所に垣間見えるこの作品は、
なんと20年前に書かれたものなのです。

天空の蜂出典:http://cinefil.tokyo/_ct/16851351

実はバリバリ理系な東野圭吾氏

東野圭吾出典:http://topicks.jp/16440

"小説家"というと文系っぽいと思われがちですが、原作者である東野圭吾氏は大阪府立大学工学部を卒業し、エンジニアとして就職した経験を持つ生粋の理系。
そのため、「探偵ガリレオ」「分身」など化学をモチーフとした作品が見られます。
その中でも最も思い入れが強いと語る「天空の蜂」では、原子力発電にスポットを当てられました。
1995年、綾野剛扮する原発反対派テロリスト雑賀(さいか)は、遠隔操作により最新鋭の大型ヘリを奪います。
福井県にある高速増殖炉上空をホバリングし、燃料が切れてヘリが落ちる前に日本中の原発停止を要求。
原作はエンジニア時代に書かれたそうで、ヘリの開発責任者・湯原(江口洋介)、湯原と同期で原子力技術者・三島(本木雅弘)という2人のエンジニアが活躍しています。
小説にも技術的な表現が多いのですが、当時の経験があるからこそリアルに描ける台詞も、この映画の見所でしょう。

現実から目を背けてはいけないと警鐘する社会派サスペンス

映画「天空の蜂」では原発は反対するわけでもなく、推進するわけでもありません。
むしろ、さまざまな意見を過激に表現しつつも、わたしたちに原発の有無を問いかけるような形になっています。
原発はいらないと思うけど、いざ電気が止まったら困る!と矛盾した気持ちを持つ人もいるでしょう。綺麗事では片付けられない現実が突きつけられるのです。
また、予告動画のアクション色が強いイメージとは打って変わって、良くも悪くも父親と子の関係性が大きなテーマです。

もちろん手に汗握るアクションシーンは迫力満点ですが、同時に家族の在り方を考えてしまいます。
「もし父親が原発を開発していたら」「テロリストが原発を狙っていたら」「家族関係が冷えきっていたら」、どれも起こりえる問題なのです。

いつもの「堤色」は封印?

堤幸彦出典:http://www.cinematoday.jp/page/N0072437

堤幸彦監督と言えば、「池袋ウエストゲートパーク」「トリック」など、シリアスな部分の中にユーモアなシーンを織り交ぜる「堤色」があります。
一方、「明日の記憶」のような社会派作品も手がけており、「天空の蜂」の「堤色」は心をえぐられるような現実を突きつけてきます。
いつもの「堤色」は薄めですが、ギャグ路線ギリギリな場面を探してみてください。

社会問題に関心が持てるイチオシ映画

「天空の蜂」は20年前の原作とは思えないくらい、現代の社会問題を明確に表現しています。
異色のタッグだからこそ起こったかもしれない化学反応を体験してみてはいかがでしょうか?

天空の蜂の動画を見る

映画みちゃお!の映画情報

題名 天空の蜂
ジャンル サスペンス/ミステリー
監督 堤幸彦
出演 江口洋介
仲間由紀恵
制作年度 2015年
本編時間 138分
製作国 日本

ライター:アヤナ