深い人間描写が多くの人を惹きつけた。7年ぶりに宮沢りえが主演を務めた「紙の月」 - 映画みちゃお!

深い人間描写が多くの人を惹きつけた。7年ぶりに宮沢りえが主演を務めた「紙の月」

 - 邦画

   

第38回日本アカデミー賞をはじめ、数々の映画賞を受賞した「紙の月」。7年ぶりに宮沢りえが主演を務めたということもあり、大きく注目された映画作品でもあります。しかし、それ以上にストーリーが衝撃的であるため、宮沢りえファンならずとも、多くの人々を惹きつけた作品でもあるのです。

紙の月出典:http://trend01.net/?p=568

『八日目の蝉』を送り出した角田光代のベストセラー小説が原作

この映画は、『八日目の蝉』の原作者でもある、角田光代の連載サスペンス小説が原作です。痛みを感じるほどの、人間のどろどろとした心の内を描くのを得意とした彼女が描く小説。そして明と暗の切り替え表現や演出が素晴らしく評価の高い、『桐島、部活やめるってよ』で有名にもなった、吉田大八が監督を務めた作品になります。共に、深い人間描写が得意な2人と、表現力の高い俳優陣によって作り上げられたのが、今作「紙の月」なのです。

紙の月はどんな映画なのか?

紙の月出典:https://kutsushitaeiga.wordpress.com/2014/11/16/kaminotsuki/

「紙の月」では、真面目に堅実に生きてきた女性が、恋に落ちることによって変わっていく姿が描かれています。子どももなくつまらない夫婦生活、若い男性との許されない恋。彼をつなぎ留めておきたいがためにお金を使うという行為や、職場での横領という行動にまで彼女を駆り立てる心理描写には、このような行為に否定的な人でもつい共感してしまう部分があるかもしれません。

この映画は、単純に「真面目な女性が恋に溺れて堕ちていく」というだけの話ではありません。彼女がそうまでして手に入れたかったものは何なのか、どこから逃げ出したかったのか、そしてなぜ止めることができなかったのかといった、心情までもが細かに描かれているのです。

人間の重く嫌な部分を正面からとらえた作品

不倫や横領といった物事を中心に、さまざまな思いを巡らせていく主人公ですが、彼女の心の内を良くも悪くも率直にとらえて表現している映画です。とにかく孤独で重く、暗く、悲しい…痛々しいまでの感情や、人間の嫌な部分を見せつけられることになるでしょう。主人公・梨花を演じる宮沢りえさんの高い演技力や表現力によって、それがより見る者の心を締め付けていくのです。

気持ち悪さの中に潜むこの映画魅力

紙の月出典:http://f.hatena.ne.jp/type-r/20151018201916

この映画のテーマや軸の部分には、もちろんどろどろとした感情や人間らしい気持ち悪さがあります。道徳的にも良しとされる事柄でもないため、決して見ていて気持ちの良いものではなく、中には受け付けないという方もいらっしゃるでしょう。しかし、この映画に魅了される人は後を絶ちません。不道徳ながらも、主人公梨花に感情移入をしてしまい、彼女の一挙一動や心の動きに連動してしまうほどの魅力がこの映画にはあるのでしょう。

これはやはり、演出や俳優さんたちの表現力の高さに他ならないのです。宮沢りえさんや池松壮亮さんはもちろん、原作には登場しないながらも重要な役どころとなる小林聡美さんや大島優子さんの演技にも注目ですよ!

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ライター:babble