精神と肉体の解放と崩壊をリアルに表現、映画「六月の蛇」

 - 邦画

   

2003年に公開された映画「六月の蛇」は、一人の女性の性を描いたエロティシズムな作品です。しかし、上品な映写や作風は高い評価を得ており、ベネチア国際映画祭の特別賞にも選ばれています。そんな映画「六月の蛇」のストーリーや魅力などをご紹介していきます。

映画「六月の蛇」のストーリー

六月の蛇出典:http://outside-cinema.blogspot.jp/2014/09/2002.html

映画「六月の蛇」は一人の女性があるきっかけで、深い性の世界に踏み入れる様子をまとめています。

りん子は電話相談室に務める既婚の女性。
夫の重彦はサラリーマンだが、長いこと肉体関係を持っていない。
ある日りん子は自殺願望の電話相談を受けるが、相手のことを励まし何とか踏みとどまらせる。
翌日、1通の手紙がりん子のもとへ届く。なんと中にはりん子が自慰行為を楽しんでいる様子を盗撮した写真が何枚も入っていた。
そしてその写真を送ってきたのは、自殺を思いとどまらせた相手の道郎で、写真を脅しに利用してりん子にさまざまな要求をするようになる。

映画「六月の蛇」の監督は鬼才塚本晋也

六月の蛇出典:http://outside-cinema.blogspot.jp/2014/09/2002.html

映画「六月の蛇」では一人の女性の性生活や、それを取り巻く出来事が淡々と描かれていきます。そしてこの作品を監督したのは、鬼才として知られる塚本晋也です。彼はこれまで個性的な作品をいくつも監督してきた人物ですが、特に注目したいのは2015年に公開された「野火」です。塚本晋也は、携わる作品すべてにおいて監督だけでなく脚本や出演まで果たす多才な人物として知られています。「野火」も同様に主演や監督脚本も務めており、編集などにも携わって、企画から通算20年も同作品に費やしています。塚本晋也作品の特徴は、バイオレンスやエロティシズムを丁寧に描いていることです。彼の作品はオリジナルのものがほとんどですが、どの映画も塚本らしさを貫いたクセのある雰囲気が魅力の一つでもあります。

ブルーの色調も作品の雰囲気を深める

六月の蛇出典:http://outside-cinema.blogspot.jp/2014/09/2002.html

映画「六月の蛇」は作品全体が、ブルーの色調でまとめられているのも特徴です。このブルーの色調は作品全体をクールで重い雰囲気にしていますが、これは主人公とその夫の冷ややかな関係性を意味しています。そしてブルーの色調は、主人公であるりん子に起きる性の解放と崩壊を、冷ややかに表現する助けにもなっています。作品内では常に雨のシーンとなっていますが、これもブルーの色調とミックスされて、より悲しげに映写されているのが印象的です。

映画「六月の蛇」は簡単に言えばエロティシズムな作品です。
しかし、主人公の満たされない日常に差し込む強い刺激は、彼女の日常を徐々に蝕み、最終的にはあらぬ方向へと結末を迎えます。
色彩の美しさと上品なエロティシズムは、芸術性の高い作品といえるでしょう。

「六月の蛇」の動画を見る

ライタープロフィール

yume
yume
夢のようなワクワクする映画が好きです!
洋画はマーブルとアクション
邦画はエッジの効いた青春映画などなど

新作から旧作まで、ご紹介して行きます!

ライター:yume