「ジェシー・ジェームズの暗殺」現在はプロデューサーとしても活躍しているイケメン俳優“ブラッド・ピット”の演技を楽しめる映画③

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作品解説

アメリカの西部開拓時代に実在した伝説のギャングであり、北軍の圧政に抵抗したアメリカ南部の英雄として称えられるジェシー・ジェームズが、その仲間のロバート・フォードに背後から暗殺されるまでを描いた人間ドラマ。

ジェシー・ジェームズの暗殺出典:http://ur0.work/Blep

ブラッド・ピットが扮するのは、映画のタイトルにもあるジェシー・ジェームズ。デヴィッド・フィンチャーの「ファイト・クラブ」でブラッド・ピットが扮したタイラー・ダーデンのように男らしくワイルドな兄貴的な人物である。

ジェシーを崇拝しながらも、最終的にジェシーを背後から暗殺したロバート・フォード(演じるはベン・アフレックの弟、ケイシー・アフレック)との心の交錯といった心理劇が、美しいアメリカ南部の映像とともに描かれ見応えある。

受賞歴

第80回アカデミー賞:助演男優賞、撮影賞ノミネート。

第64回ヴェネツィア国際映画祭:男優賞受賞。

ジェシー・ジェームズの暗殺出典:http://www.aftenposten.no/osloby/byliv/Cowboyene-rider-igjen-297836b.html

見どころポイント

この映画の見どころは、何と言ってもアメリカ南部の美しい映像にある。広大なアメリカ南部の風景を、まるで絵画のように鮮やかに撮られた映像が血なまぐさいギャング同士の戦いと対比され、映画に深い奥行きを与えている。「ファーゴ」(1996)や「ノーカントリー」(2007)など、コーエン兄弟の映画の撮影を多数担当したロジャー・ディーキンスがカメラマンを務め、素晴らしい仕事をしている。

また、「アルゴ」(2012)や「ゴーン・ガール」(2014)に主演したベン・アフレックの弟であるケイシー・アフレックが、ジェシーを暗殺するロバート・フォードを演じているのだが、ロバート・フォードのジェシーへの崇拝心が暗殺という最悪な行動に変わっていく過程を巧みに演じている。本作で初オスカー候補にもなったケイシー・アフレックの演技にも注目したい。

ジェシー・ジェームズの暗殺出典:http://ur0.work/Blfx

ブラッド・ピットの演技

本作でブラッド・ピットは、主役のジェシー・ジェームズを演じているのだが、非常に寡黙に演じている。風格でジェシーに成りきっている。見た目はブラッド・ピットにしか見えないのだけれど、他の出演作ではとうてい及ばない近寄りがたさが尋常ではない存在感をスクリーンに放っている。

この映画での演技は国外でも評価が高く、世界三代映画祭の一つ、ヴェネツィア国際映画祭では男優賞を受賞した。ブラッド・ピットのいつもとは違う“男の風格”で魅せる演技をぜひ観て欲しい。

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ライタープロフィール

成宮秋祥
成宮秋祥
キネマ旬報(読者の映画評)に2年間で掲載5回。ドキュメンタリー雑誌『neoneo』(neoneo web)や『ことばの映画館』(ことばの映画館Web)に映画レビューを寄稿。映画交流会「映画の”ある視点”について語ろう会」主催。

ライター:成宮秋祥