「マイ・プライベート・アイダホ」イケメン・アクション俳優、キアヌ・リーブスの演技が楽しめる映画①

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渡辺謙とマシュー・マコノヒーが共演し、賛否両論を招いた話題作「追憶の森」(2015)の監督であるガス・ヴァン・サントが手がけた初期代表作である。

女性に体を売って生活するジゴロ(男娼)の青年たちの恋と友情を描いた青春映画である。23歳の若さで亡くなったリヴァー・フェニックスの繊細な演技が絶賛されたことは有名だ(彼は、この映画で第48回ヴェネツィア国際映画祭の最優秀男優賞を受賞した)。

また、同性愛をテーマにした映画としても有名であり、リヴァー・フェニックスの相手役をまだ駆け出しだったキアヌ・リーブスが務め、話題となった。

マイ・プライベート・アイダホ出典:http://ameblo.jp/eigajikou/entry-11862985471.html

受賞歴

第48回ヴェネツィア国際映画祭:男優賞受賞

第7回インディペンデント・スピリット賞:主演男優賞、脚本賞、音楽賞受賞

映画の見どころ

時に絵画のように、また時に漫画のように描かれる独特な映像美が魅力である。同性愛や売春、薬物、近親相姦といった過激な要素が一挙に凝縮されたディープな青春映画ではあるが、映像のコントラストは明るくポップで、雰囲気は軽音楽を聞いているかのように柔らかい。今や世界的な巨匠となったガス・ヴァン・サントの映像センスを堪能して欲しい。

マイ・プライベート・アイダホ出典:http://rosecinema.blog28.fc2.com/blog-entry-249.html

成宮秋祥の一推しレビュー

この映画の主役は、リヴァー・フェニックスである。リヴァーは、同じく若くして亡くなった往年の名優ジェームズ・ディーンを彷彿させる反抗的だが壊れやすい繊細さを内に秘めた複雑なキャラクターを見事に演じていた。彼の演技をまず観るのが正解だ。

そして彼の相手役を務めたのがキアヌ・リーブスである。筆者的には、キアヌの存在があってこそ彼のキャラクターは輝いていたと思う。それほどキアヌのキャラクターは主役と正反対の存在として輝いていた。

キアヌが演じるスコットは冷静沈着でクールな青年である。また、キアヌが身長186センチと高めなのも合わせて、その背筋を真っ直ぐに伸ばした彼の姿には王侯貴族のような風格が漂い、滅茶苦茶かっこいいのである。

主役のリヴァーが演じるマイクは、ナルコレプシー(発作性睡眠障害)を患っており、時間や場所を問わず突然眠りに落ちてしまう描写が出て来るが、その時にマイクを抱きかかえるのがスコットである。この抱きかかえの場面は何度観ても画になっている。やんちゃな野生児のマイクとクールなお坊ちゃまのスコットという正反対のキャラクターが美しい形で映像の調和を保っていて、そこに二人だけの密な世界があるように感じられ、観る者は二人の関係が次にどのようになっていくか目が離せなくなっていくはずだ。

キアヌは元々クールな雰囲気があり、スコット役ははまり役だといえる。ちなみにキアヌが初めに人気を得たのは「ビルとテッドの大冒険」(1989)という映画だが、この時は勉強のできないお馬鹿な高校生を演じている。このようにキアヌはデビュー初期から様々な役に挑戦しているのだが、やはり一番かっこいいと言えるのは、後の「マトリックス」(1999)を含め、冷静沈着でクールな役を演じたキアヌ・リーブスである。

マイ・プライベート・アイダホ出典:http://sidviciousyuko.blog71.fc2.com/blog-entry-35.html

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ライタープロフィール

成宮秋祥
成宮秋祥
キネマ旬報(読者の映画評)に2年間で掲載5回。ドキュメンタリー雑誌『neoneo』(neoneo web)や『ことばの映画館』(ことばの映画館Web)に映画レビューを寄稿。映画交流会「映画の”ある視点”について語ろう会」主催。

ライター:成宮秋祥