「ディアボロス/悪魔の扉」イケメン・アクション俳優、キアヌ・リーブスの演技が楽しめる映画②

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64勝0敗を誇る有能な弁護士が、大都市ニューヨークを舞台に、悪魔が仕掛ける陰謀に巻き込まれるオカルト・ミステリー映画である。

ヤン・デ・ボンのパニック・アクション映画「スピード」(1994)の大ヒットにより、一躍時の人となったキアヌ・リーブスが、「ゴッドファーザー」(1972)や「スカーフェイス」(1983)といった名作への主演で知られる名優アル・パチーノと初共演したことで話題となった。

アル・パチーノと共演したいがために、自身の出世作となった「スピード」の続編の出演オファーをキアヌが断ったことは映画ファンの間では有名だ。

ディアボロス/悪魔の扉出典:http://sutefannking.blog.jp/archives/1022568190.html

監督は、1980年代を代表する青春映画の名作「愛と青春の旅だち」(1982)やミステリー映画の秀作「黙秘」(1995)など、ジャンルを問わず優れた映画を作り続けたテイラー・ハックフォード。ヒロイン役には、後に「モンスター」(2003)でアカデミー賞を受賞し、演技派スターとして大成したシャーリーズ・セロン。

ポール・ヴァーホーヴェンやデヴィッド・フィンチャーの映画で才能を発揮したロブ・ポッティンの特殊効果が、キアヌが演じる弁護士ケヴィンが体験する悪夢的な世界を不気味ながらも美しいものにしている。また、後に「ボーン・アイデンティティー」(2002)から始まるボーン・シリーズで実力を発揮したトニー・ギルロイが脚本として参加している。

映画の見どころ

キアヌが演じる有能な弁護士であるケヴィンは、アル・パチーノが演じる天才弁護士と評判のミルトンに誘われ、ニューヨークに妻とともに移り住むが、その新天地での生活に慣れない妻がだんだんと精神に異常をきたしていくというストーリーの流れが、ロマン・ポランスキーのオカルト映画の傑作「ローズマリーの赤ちゃん」(1968)を彷彿させる。

ケヴィンの妻を演じるシャーリーズ・セロンによる裸さえも曝け出す体当たりの演技もあり、映画の緊張感の強度は後半から凄まじいものになっていく。キアヌもパチーノももちろん熱演ではあるが、最大の演技達者はシャーリーズ・セロンであることは間違いない。彼女が徐々に精神を崩壊させていく過程を怖がりながら観て欲しい。

ディアボロス/悪魔の扉出典:http://nylife09.blog28.fc2.com/blog-entry-607.html

成宮秋祥の一推しレビュー

この映画のキアヌ・リーブスははっきり言って完全に受け身である。というのも、キアヌの役者としての立ち位置は本作では複雑な所にあるからだ。共演のアル・パチーノは当然のことながら人気・知名度においてもキアヌを圧倒し、さらに映画デビュー間もないはずの若手であるシャーリーズ・セロンはキアヌ以上の存在感でキアヌを圧倒している。キアヌは二人の演技達者に挟まれながら、悪夢的な世界の中を右往左往するだけである。

言うなれば、「マトリックス」(1999)や「コンスタンティン」(2005)などで見せた冷静沈着でクールなキアヌが二人の演技達者の存在によりその表面を剥がされていき、かっこ悪く驚いたり、怖がったりする様子がこの映画では堪能できる訳だ。かっこいいだけではないキアヌの演技を楽しめる貴重な映画なので、ぜひ観て欲しい。

ディアボロス/悪魔の扉出典:http://blog.livedoor.jp/kunisan1957-k.unit/archives/46799026.html

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ライタープロフィール

成宮秋祥
成宮秋祥
キネマ旬報(読者の映画評)に2年間で掲載5回。ドキュメンタリー雑誌『neoneo』(neoneo web)や『ことばの映画館』(ことばの映画館Web)に映画レビューを寄稿。映画交流会「映画の”ある視点”について語ろう会」主催。

ライター:成宮秋祥