「コンスタンティン」イケメン・アクション俳優、キアヌ・リーブスの演技が楽しめる映画④

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DCコミック(代表作に『バットマン』や『スーパーマン』など)の『ヘルブレイザー』を原作としたいわゆるアメコミ・ヒーロー映画である。キアヌ・リーブスは超常現象専門の探偵ジョン・コンスタンティンを演じる。

共演にアカデミー賞の受賞経験があるレイチェル・ワイズとティルダ・スウィントン、そしてマイケル・ベイの「トランスフォーマー」(2007)でブレイクする前のシャイア・ラブーフ。また、良きバイプレーヤーである演技派のジャイモン・フンスーやピーター・ストーメアも顔を出している。

監督は、「アイ・アム・レジェンド」(2007)や『ハンガー・ゲーム』シリーズのフランシス・ローレンス。

「リバー・ランズ・スルー・イット」(1992)でオスカーを受賞し、後に「X-MEN:ファイナル ディシジョン」(2006)といった大作映画で活躍する名カメラマンのフィリップ・ルースロが、天国と地獄がせめぎ合うファンタジックな世界観を見事に映像化している。

本作は、続編の製作が数年前より発表されているが完成時期は未定のままである。しかし、DCコミックのオカルト・ヒーローたちが夢の共演を果たす「ダーク・ユニバース(原題)」(ダグ・リーマン監督)でコンスタンティンが登場することが判明した(ただし演じるのはキアヌではない)。

コンスタンティン出典:http://plaza.rakuten.co.jp/nervousglamorous/diary/201510190000/

映画の見どころ

現実世界の裏側で天国と地獄がせめぎ合うというファンタジックな世界観が見事に映像化されており、その雰囲気を存分に味わうのが正しい見方と言える。

オカルト・ホラーとしての側面を持つ本作は、ダーク・ファンタジーとエクソシスト物の混合、そこに1940年代~1950年代にかけてハリウッドで量産されたフィルム・ノワール(暗黒映画)の妖しげでじめついたイメージが加味されている。このような雰囲気が好きな人にはたまらないものだろう。

DCコミックの“DC”はディテクティブ・コミックの略で、モンスターやエイリアンではなく凶悪な犯罪者と戦う作品が多い。本作と近い時期に製作されたクリストファー・ノーランの「バットマン ビギンズ」(2005)も含め、最近のDCコミック原作のアメコミ映画は重くダークな雰囲気の作品が多いのも特徴だ。これはDCコミックと双璧を成すマーベル・コミックの明るく良い意味で何でもありの作風と対極にある。明るいヒーロー物に飽きてきたら、ダークで大人な雰囲気のヒーロー物に挑戦してもいいかもしれない。

本作は、ヒロインを演じたレイチェル・ワイズの美しさも素晴らしいのだが、一番推したいのは天界のハーフブリード(天使と人間、悪魔と人間の中性的な存在)を演じるティルダ・スウィントンにあるだろう。キアヌ演じるコンスタンティンとの対話が初登場場面だが、ダーク・スーツを華麗に着こなし、デヴィッド・ボウイを彷彿させる中性的な容貌が滅茶苦茶美しいのである。ちなみに彼女の身長は179センチと、身長186センチのキアヌと7センチしか違わない。女性とも、男性とも思わせるティルダ・スウィントンの中性的な美しい容貌は、この映画のダークな世界観をより奥行きある魅力的なものにしている。

コンスタンティン出典:http://unnatural24.blog.fc2.com/blog-entry-651.html

成宮秋祥の一推しレビュー

この映画のキアヌは、今まで演じた「スピード」(1994)や「マトリックス」(1999)で演じた正統派ヒーローとは異なり、かなり不真面目だ。15歳から毎日煙草を30本吸うという悪な生活を送り、戦いぶりも実にふてぶてしく、かっこいいのだけれど“悪”が感じられる。フィルム・ノワール映画の主人公に多く見られる心に闇を抱えたダーク・ヒーローとしての魅力を存分に引き出している。キアヌは正統派ヒーローとしてのイメージを覆し、新しいキアヌ流のヒーロー像を創造したといえる。やはりこれはこれでかっこいいので、ぜひ観て欲しい。

コンスタンティン出典:http://ouattheater.blogspot.jp/2016/07/constantine2005.html

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ライタープロフィール

成宮秋祥
成宮秋祥
キネマ旬報(読者の映画評)に2年間で掲載5回。ドキュメンタリー雑誌『neoneo』(neoneo web)や『ことばの映画館』(ことばの映画館Web)に映画レビューを寄稿。映画交流会「映画の”ある視点”について語ろう会」主催。

ライター:成宮秋祥