「ハッピーエンドの選び方」から人生の終わりを考える

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ご老人がメインの映画紹介も、今回でラストとなりました。最後にご紹介するのは、人生の終わりをユーモア交えて描くイスラエル映画「ハッピーエンドの選び方」。自分で死ぬときを選ぶという、重くデリケートなテーマです。

ハッピーエンドの選び方出典:http://kohd-wc.blogspot.jp/2015_05_01_archive.html

人間みな自分がどのように死んでいくか知ることはできません。目を背けず考えることもたまには必要ですよね。この映画は、人生の終わりを考えるのを、ちょっとだけ手伝ってくれる作品です。

あらすじ

老人ホームに妻と暮らすヨヘスケルは、ユニークな発明品をつくり、他の入居者たちを励ましていました。あるとき、延命治療に苦しむ親友の願いで、<安楽死スイッチ>をつくったヨヘスケル。このスイッチを押せば、苦しまずに最期を迎えられるのです。するとその装置が評判を呼び、安楽死を望む人や家族が次々とやってきます。しかしそんなさなか、妻のレバーナに認知症の兆候が現れ、自分がゆっくり失われていくことに苦しみを感じ始めました…

ハイセンスなブラックジョークが観客を惹きつける

ハッピーエンドの選び方出典:http://cows.air-nifty.com/seagal/cat22018202/index.html

この映画は、主人公扮する“神様の声” とご婦人が電話をするシーンから始まります。『今は天国に空きがないからもう少しがんばって生きてくれ』など、ご老人だから言えるややブラックなジョークが飛び交い、最初から観客を惹きつけます。

しかしユーモアを交えながらも、扱っているテーマは尊厳死。病の痛みから逃れ、安らかに眠ることを求める老人たちを描いた作品です。最初はどこか他人事で観ていたとしても、ストーリーが進むにつれ、私たちにとって安楽死の選択が他人事ではないのだと気づくことになるでしょう。

尊厳死について考える

ハッピーエンドの選び方出典:http://www.ravage-webzine.nl/2015/07/22/the-farewell-party/

日本では自殺幇助は犯罪ですが、スイスでは安楽死(自殺幇助)は違法でないとされています(金銭を受け取らないなど一定の条件あり)。そのため、安楽死目的で渡航する外国人も少なくないのだとか。この映画内でも、『スイスに行けばいいじゃないか』というセリフが登場します。

もちろんこのスイスの法律については、国際的に議論されています。『たとえどんな理由があれ、命を自ら絶つのは間違っている』『神経系の病気などでこの先ずっと苦しまなきゃならない人に、これ以上痛みを与え続けるのか?』などの意見がぶつかり合い、多くの国が前者を支持する中、スイスは後者の意見を認めているのです。

『もし自分、もしくは大切な人が病気になって長い間苦しまなくてはいけないなら…』何が正しいなんて答えはまず出ないでしょうが、単に“不謹慎” と議論自体に目を背けることはしたくないなと、この映画は思わせてくれました。

おじいちゃん、おばあちゃんに会えるうちに

もしおじいちゃんおばあちゃんに会える環境なのに、面倒だからとか時間がないからという理由で会いに行っていないのなら、まずはこれまでご紹介した4本の映画を観てみてください。きっとこれらの映画は、祖父母がいる嬉しさを実感させてくれることでしょう。

『孝行のしたい時分に親はなし』とは言いますが、これはおじいちゃんおばあちゃんに関してもまったく同じ。もししばらく会っていないのなら、おいしいお土産でも持って、会いに行ってみてはいかがでしょうか?

ハッピーエンドの選び方の動画を見る

ライタープロフィール

表ひつじ
表ひつじ
映画やライフスタイル記事を中心に執筆する新卒フリーライター。学生時代nanapiやSHERYLでライティング・編集を経験。アンニュイな映画やごちそう映画を中心に幅広く鑑賞します。

ライター:表ひつじ