「ジェイン・エア」苦労と不幸の連続……それでも強く生きた女性
スキャンダラスな女性の人生映画、最後に紹介するのは1996年に制作された「ジェイン・エア」。ブロンテ姉妹の長女、シャーロット・ブロンテが書いた小説『ジェイン・エア』が原作です。
小さな頃から苦労をしてきて、大人になって恋をしてやっと幸せを掴んだと思ったらまた地獄に落とされるヒロイン。それでも女性として強くあろうとする彼女に胸打たれる作品です。
波乱万丈なジェイン・エアの人生
幼くして孤児となったジェインは、引き取られた家族とうまく行かず、孤児院に入ります。しかしそこでは虐待に遭い、非常に辛い思いをしながら育ちました。さらに不幸なことに、孤児院でできた友人が病気で亡くなります。
大人になったジェインは家庭教師の免許をとり、ある屋敷で住み込みながら働きはじめました。そして屋敷の主人・ロチェスターと出会い、恋に落ちます。しかし、彼にはジェインが絶望するほどの秘密があったのでした……。続きはぜひ映画でごらんくださいね。
美人でなく、自由恋愛をする新しいヒロイン
そもそもこの『ジェイン・エア』という原作は、単純に不幸なヒロインを描いた作品というわけではなく、“女性が男性と対等に社会の中で強く生きる”という、当時の人々からすれば斬新なテーマを扱ったものでした。
小説のヒロインは、普通美人として描かれるのが一般的でしたが、このジェイン・エアは美しくはありません。そしてこの作品で描かれる、女性から男性に告白をするシーンや、女性の活動限界を決めたくはないというヒロインの強い信念が、女性を中心とした当時の人々から共感を得たのです。
これまでに何度も映画化されている『ジェイン・エア』
『ジェイン・エア』は名作であるがゆえに、これまでに6回映画化されています。1943年のジョーン・フォンテイン演じる「ジェーン・エア」からはじまり、4作目にシャルロット・ゲンズブール主演の本作。そして6作目となる最新作は、2011年にミア・ワシコウスカ主演で映画化されました。
ジェインの女性として強く生きる姿に、多くの人々が昔も今も憧れているのかもしれませんね。(『ジェイン』は『ジェーン』とするものもあり、表記の仕方は作品によって異なります。)
女性としての人生に悩んだら観たい映画
これまで紹介してきた波乱万丈な人生のヒロインたちの中で、ジェイン・エアだけタイプが違います。彼女だけ、常に正しい道を選んでいました。
今は昔ほど女性の立場が下ということはありませんが、まだまだ完全に男女平等ではない社会。もし普段の生活で女性としての立場に不安を感じたときは、「ジェイン・エア」を観てみると励まされますよ。