「ザ・ウーマン 飼育された女」の物語の裏側に秘められたメッセージとは!?

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人は本心で何を考えているか分からない。世間では素敵な家族でも、本当の家庭内の姿はどうなっているのか外から見ただけでは分かりません。ではどうしたら見えるのでしょうか?
「ザ・ウーマン 飼育された女」の物語の裏側に秘められたメッセージを筆者なりに読み解いてみた。

簡単なストーリー紹介

ザ・ウーマン 飼育された女-2出典:http://blogs.yahoo.co.jp/karakuchidry6288/9240946.html

ラッキー・マッキー監督で描かれるこの作品。初めに言っておこう。ラッキー・マッキーというポップな名前に騙されてはいけない・・・
夫婦、息子と娘2人、犬二匹の幸せな家庭。父は弁護士で周りの人達からはザ・シアワセナカテイ。
ある日、父が山へ狩りに行き、そこで見つけたのは猪でも鹿でもなく【ナイフを持った裸の女】どうやら赤ん坊の頃に狼に拾われ育てられたらしく、言葉も理解出来ないらしい。

その女を銃の後ろでガツン!家に連れて帰り家の地下で「こいつを人間に戻す。」と飼育する事に。
腕や足などをワイヤーで括り動けない様に固定。そして固定している最中に女は目を覚まし、お父さんは左手の薬指を食いちぎられる。
最初は家族も嫌がっていたが徐々に慣れはじめ皆でその女を飼育する事に・・・
少しずつ少しずつ家族の歯車は狂い始め、父はその本性を現しだす。

結末は理解不能?

飼育をして行くうちに言葉を徐々に覚えて行く女。
体を洗われ、ドレスを着させられ、ご飯を与えられ、夜はお父さんにレイプされ、それを見ていた息子も次の日に女を襲いに行くが姉にバレ未遂に終わる。

そんな中、姉の妊娠が学校の先生によって見抜かれ家庭訪問、父と息子によって先生は殴られ縛られ犬小屋の中に放り込まれる。そこで無眼症の三女が犬小屋の中で世間にバレない様に飼育されている。
その妹に先生は食われる・・・

そんな時一番上のお姉ちゃんが父の暴走を止める為に女を開放。
何故か優しくしてくれていたお母さんを食べて。父と息子を食べる。
そして次女と長女と無眼症の三女を連れて森の中に消えて行く。
うーん。理解出来ない・・・

筆者が疑問に思った事

ザ・ウーマン 飼育された女-2出典:http://ameblo.jp/lionking22/entry-11770640818.html

1、この作品でまず筆者が疑問に思ったのは、本人以外誰も気が付いていない長女の妊娠に女が「赤ちゃん・・・」と呟いたのだ。
特に超能力を持っている描写も無ければ話した訳でもない。

2、なぜ優しく接してくれた母親を女は真っ先に食べてしまったのか。

3、何故長女の妊娠の相手が謎のままなのか?

4、なぜこんなにも大切な事が矛盾だらけなのだろうか?

そして気が付いた・・・矛盾だ!

キーワードは矛盾

ラッキー・マッキー監督出典:https://jordanandeddie.wordpress.com/2013/07/17/book-review-im-not-sam-2012/

ラッキー・マッキー監督は観客に矛盾に気が付いて欲しかったのでないだろうか?
筆者が一番大きく思った矛盾は【女が何故妊娠に気が付いたのか?】という事だ。
この矛盾は物語の中でも何度も描かれていて結末にも大きく関係して来るのだ。
それをひも解くカギはラストの父を殺されるシーンだと思った。
【腸をほじくり出され女に食われ絶命するラスト】
【強制的に連れて来られ、人並み以下の扱いを受けて来た女】
【人は腹の内側では何を考えているか分からないというキーワード】

この3つからひも解いて行くと。

【一番腹の内が見えなかった父の腸を割き、たとえそれを食べても人の腹の内は分からない】
という答えに筆者は行きついた。

そして何故か人以下の扱いだった女には長女の腹の中(赤ちゃん)が見えるという皮肉。

行きつく先は皮肉

ザ・ウーマン 飼育された女-2出典:http://usa147.blog.so-net.ne.jp/2013-05-23

大きな所で行くと
長女の腹の中に赤ちゃんが居る事を人間以下の女だけが気が付くという皮肉。
家族の中では全うな考えを持ち、それを主張する母が食われるという皮肉。

ラッキー・マッキー監督が観客に伝えたかった事は【皮肉】なのではないだろうか?

どんなに正しい事を主張しても死んでしまえば意味もない。
正しい事を言っている人が幸せになれる訳ではない。という皮肉なメッセージ。
筆者にはそう聞こえた作品だった。

”白”だからこそみえる内側

この作品の中で女は酷く凶暴的に描かれていたが、ここまでひも解いて行くと【無】もしくは【白】なのではないだろうか?
人は生きて行く中で様々な色に染まって行く。染まらずには生きて行けない世の中なのかもしれない。
だから純粋な心の底からの悩みを持った長女、何色にも染まってない次女、そして同じ【白】の三女だけが生き残ったのではないだろうか?
ここまで来ると酷い汚れを無理やり落とし、綺麗なドレスを着せたのにも何か皮肉めいた物を感じるのは筆者だけだろうか?

掘り下げると実に深い作品で、作品のメッセージに注目するとそれは、それで非常に面白い作品でした。

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ライター:AME