コーエン兄弟が贈る、悪気のない悪意「ビッグ・リボウスキ」

 - 洋画

   

『なんでこうなっちゃったかな~』という人間模様を描き続けるコーエン兄弟。1998年に公開されたこの映画はその2年前に発表された「ファーゴ」のエッセンスを濃くしたような作品です。また<誘拐もの>ですか、と思っても『うん、よし』と許せてしまうのがコーエン映画。何と言っても彼らの一番得意なモチーフなんですから。

まずはあらすじのご紹介です。

ビッグ・リボウスキ出典:http://variety.com/2016/film/news/big-lebowski-sequel-coen-brothers-1201694771/

無職でボウリング好きなジェフリー・リボウスキは家でくつろいでいる時に闖入してきた暴漢に『金を返せ』と脅されます。それも身に覚えのない女房の借金。あげくお気に入りの敷物にオシッコをかけられ憤慨するデュード(ジェフリー)。暴漢の狙いが同姓同名のビッグ・リボウスキであると分かった彼は慰謝料を取りにリボウスキ家に乗り込む。その時は軽くあしらわれたのだが、後日リボウスキから『妻が誘拐された。身代金受け渡しの役を引き受けて欲しい。』と頼まれる。実は妻の誘拐は後妻の事が気に入らない娘の仕業。どうせ狂言だからと受け渡しの邪魔をするバカな友達ウォルター。ドイツ訛りの誘拐犯まで絡んでのドタバタコメディです。

コーエン兄弟にはずれなし!

もちろん好き嫌いは当然あるでしょう。とくに不条理な世界を描いた映画ではその傾向は大きくなります。この映画もはっきり言ってヒットはしませんでした。製作費と興行収入がほぼトントン(1700万ドル)だったのですから。しかし、良い物はじわじわと浸透してくるものなんです。レンタルが始まるとコアなファンが少しづつ付き始め、現在では何と、<リボウスキ祭り>なるものが開催されるまでになりました。ケンタッキーで始まったこの祭りは現在アメリカ全土をツアーしているとのこと。もしこの手の映画に苦手意識を持っておられる方がおりましたら、『好きになるまで見て下さい、いつか好きになります。』と私は(小声で)断言いたします。

魅力的な小道具<ホワイト・ロシアン>

この映画で忘れてはいけないのが<嗜好品>です。ロックグラスに氷、ウォッカ、カルーアミルク、牛乳を入れ、指でちょいとかき回してクピクピと飲むホワイト・ロシアンというカクテル。この映画を観賞する時には必ず用意しておきましょう。まるで映画の登場人物になったような気分が味わえます。甘いこの飲み物にはマリファナがとても合うそうですが、マリファナは用意しないで下さいね。ボーリングをしながらマリファナを吸ってホワイト・ロシアンを飲む。想像でしか楽しめないですが、視聴者を映画に没入させる強力アイテムです。
スリルともサスペンスともコメディともつかない映画。それは製作者のコーエン兄弟ですら謳っておりません。見る人の感覚で決まるのがコーエン兄弟作品であると思いますがこの「ビッグ・リボウスキ」は特にそれを感じさせる一本です。ありがとうございました。

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映画みちゃお!の映画情報

題名 ビッグ・リボウスキ
ジャンル コメディ
監督 ジョエル・コーエン
出演 ジェフ・ブリッジス
ジョン・グッドマン
制作年度 1998
本編時間 117分
製作国 アメリカ

ライター:kuma10