巨匠デヴィッド・リーンの秀作、不倫をテーマとした「ライアンの娘」

 - 洋画

   

独立の機運高まるアイルランドを舞台に、巨匠デヴィッド・リーンが描く人妻と将校の不倫の物語。アカデミー賞では助演男優賞と撮影賞の2部門を受賞。70ミリフィルムでロケーション撮影されたアイルランドの寒村の大自然が圧倒的です。

「ライアンの娘」のあらすじの紹介

ライアンの娘出典:http://www.ferdyonfilms.com/2009/ryan%E2%80%99s-daughter-1970/517/

アイルランドの寒村で暮らす若い娘ロージーは、かねてからの憧れだった歳上の教師チャールズと結婚します。しかし彼は性的な満足を与えてくれず、欲求不満を抱えたロージーは偶然知り合ったイギリス軍駐屯地の将校と不倫の関係に。やがてそれは村中に知れ渡ることになり、不倫相手の将校も死亡。髪を切られたロージーは村にいられなくなり、チャールズとともに他の土地へと旅立つことになるのです。

不倫をテーマとするのは「逢びき」以来

プロデューサー以外は「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」と同じスタッフで製作されたリーン監督の大作で、脚本はロバート・ボルトのオリジナル。ギュスターヴ・フローベールの小説『ボヴァリー夫人』からインスパイアされたもので、リーン監督が不倫を中心の題材としたのは名作「逢びき」以来となります。「逢びき」と違って大胆な濡れ場を扱い、その描かれる世界も壮大なスケールになっています。

多彩なキャスティング

出演者のうち、特筆すべきはロバート・ミッチャムのキャスティングです。不良っぽい風貌から、それまで癖の強い悪役かそれに準ずる役柄の多かった彼にとって、この田舎教師役はキャリア上の転機となり、その評価をさらに高めました。また、タイトルロールを演じたサラ・マイルズは脚本を書いたロバート・ボルトの奥さん。性的欲求不満を抱えた寒村の教師の妻という難しい役を見事に演じています。そして、ジョン・ミルズの精神の病を抱えたホームレスの演技が何と言っても印象に残ります。

リーン監督のファンの多い日本では前作「ドクトル・ジバゴ」よりも評判となり、当時のキネマ旬報ベストテンで2位に選出。その代表作の1つとみなされています。

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題名 ライアンの娘
監督 デヴィッド・リーン
出演 ロバート・ミッチャム
トレヴァー・ハワード
制作年度 1970年
本編時間 195分
製作国 イギリス

ライタープロフィール

大地太郎
大地太郎
1920年代の古典作品から、フランス・ドイツ・イタリアの巨匠の作品、そしてアメリカン・ニューシネマまで、古い映画ならかなりの本数を見ています。特にハリウッドの黄金期の作品が気に入っています。

ライター:大地太郎